最近の日本の住宅ではフローリングの部屋が増え、和室が無い住いも珍しくなくなってきました。 しかし、今また和室や畳の良さが見直されてきています。 畳のある空間に足を踏み入れた時、「心が落ち着く」・「やすらぎを感じた」方は多いはずです。 そんなやすらぎを演出する畳には優れた効能があります。
イ草使用の畳には精神を落ち着かせ、集中力を高めてくれることが実証されております。
イ草には強い抗菌性があります。サルモネラ菌・ブドウ球菌・腸管出血性大腸菌・バチルス菌・ミクロコッカス菌等に抗菌性を示し繁殖を抑えることが実証されております。
イ草の畳は二酸化窒素を吸着し、空気を浄化する作用があります。また、「イ草+わら畳床」がホルムアルデヒドを吸着して部屋の空気をきれいにしてくれている可能性についても、研究が進められています。
稲わらや、イ草(畳表)は自然の資材です。 素材の特性から僅かながら湿気を吸収し、また放湿する性質があります。 しかし吸湿する速度に比べ放湿する速度は遅く、蓄湿する傾向があります。 従って、放湿効果を上げるためにはこまめな換気が望まれるのです。
稲わらには熱を伝えにくい特徴があります。 稲わらの空洞がその高い断熱性の秘密です。 また、一度温かい状態になると熱を逃がさない保温の役目をします。
稲わらの沢山の空洞に含まれる空気が、音を吸い込む吸音効果を持ちます。 また、一般に遮音性は重量に比例すると言われますが、稲わら畳床の重量感がここでは長所になります。 畳の種類にもよりますが、例えばコンクリートの床に敷いた場合の「衝撃音」はかなり改善されることが分かっています。 稲わら畳床はぎっしりとつまった稲わらで出来ているので、住宅の2階からの騒音、足音、テレビ、ステレオなどの音をやわらげる遮音効果にも優れています。
「畳はダニが寄生しやすい」というのは誤解です。 これは、他の床仕上げ材である絨毯と比較してみることでも明らかです。 ダニの寄生の原因は、多湿・高温・換気が悪いことです。 稲わらは湿気を吸い、また出すために湿度調節機能があるのですが、最近の住宅は気密性が高く、また、部屋を閉め切ってしまうために高温多湿になってしまいこのためにダニが発生しやすくなるのです。 ダニは温度と湿度とタンパク質により繁殖します。従って適切な換気を行えばダニはある程度防げるのです。
また、掃除機をかければダニはとれます。毎日2〜3回ずつ掃除をすると、3週間後にどのくらいダニが減るのかを調べた調査によると、畳部屋の表面のダニ数は半分と、板の間に近い水準まで減少します。こまめなお掃除と換気が、ダニに関する問題を解決します。